恋に飢えているのでTinderを始めてみた

こんなに人はいるのに出会いがない!!

「電車で隣にいる人に自然に声かられたら...」

といつも妄想してる。僕は恋愛対象が男性なのでイケメンばかりだけど(笑)、それでも"就職活動の荒波にもまれるリクルートスーツくん"や”高級な生地感のスーツリーマンくん”とかと遭遇するたびに

「どうすれば友達... いやああああ!!!彼氏にできるのだろうか!!はああああふううう!!!!!」

と息巻いている。数えきれない人数が生活するこの東京。出会いなんていくらでもはるはずだ... と考えていたけどそうでもないらしいことが実地調査で判明した。

旅行帰りに空港のラウンジで女友達に彼氏ができないことを相談された。飛行機搭乗前で化粧から完全に解放された顔を至近距離で眺めてもそこそこカワイイのに、なぜ出会いがないのだろうか。過去に飲み放題後の電車で「あたし性欲強めなのよね~」と大声で醜態晒していたが、普段は淑女系な彼女。

「出会いのチャンネルが少なすぎるのよ!!!!!!」

崎陽軒のシュウマイ弁当を午後3時から頬張る女が説教する(笑)。彼女いわく20代のそこそこの顔面偏差値の女には出会いの”場”がそもそもないらしい。読者モデルくらいカワイイのであれば出会いは勝手に増えていく。男ならば容姿端麗な女は他人に自慢できるし、高級なレストランやファッションのブティックにいても格好がつく。女ならばそんな容姿端麗な女を手土産に出会いのきっかけをつくれる。容姿端麗な女は360度どこからも求められるのだ。

それと比較してそこそこな女は厳しい戦闘を強いられることになる。プライドだらけの男はそこそこの女といることを恥ずかしがり、打算だらけの女は手土産にならないと判断すれば肝心の”出会いの場”には連れていかない。そしてそんな"そこそこな女"こそ、この東京における圧倒的多数派なのである。

出会い系未満Facebook以上のTinder

そんな愛すべき女友達のためにまずは僕が実験台になることに決めた。数ある出会い系アプリのなかでも世界で一番流行しているTinderをダウンロードすることにした。Facebookと連携しているから登録も数秒でできる...。なんて便利なTinder...。

少なくともスマホは大学時代からという僕達世代。"出会い系"と聞くとどこか危険なもののように感じてしまうけど、TinderはどちらかというとSNSで、”Facebookの知らない人達もいるバージョン”のような雰囲気。どのみちInstagramたSnapchatで他人の日常生活を見学することに慣れているので、Tinderにもそこまで抵抗感はないはず。

出てくる写真を「アリなら右!!!ナシなら左!!!はあああああ!!!」とひたすらジャッジするだけのアプリ。互いに”アリ”ならメッセージのやりとりができるわけだけど、なんなのこのスピード感!このスピード感があるから悪気なくジャッジできるのかもしれない。

Tinderにおける未知との遭遇①:ゾンビちゃん

何度登場するんだよおまえ...。何度もナシにしているのに何度も登場するゾンビちゃん...。いや、可愛いんだけど僕は女に興味ないんだよね!!でも本当に何度も登場するからなんか気になってきた...。さすがTinder!!

Tinderにおける未知との遭遇②:マルチくん

「こんにちは!友達探したくて登録しました!旅行と写真が趣味です☆」

いや、マルチやん?でも顔がタイプなのでメッセージしてみたんだけど、予想どおり勧誘された。そもそも屋形船で推定20代から60代まで男女(私服)が飲んでいる写真ってありえないよね?普通に生活していたらこんな機会ないもんね。こんなマルチの模範例ひさびさに発見した。それにしてもマルチはみんな意気揚々とした表情をしてるのはなぜ?プロフィールに不動産とか金融とかあるやつもマルチ率高いので要注意。

というわけで女友達に薦めてみた...

まあそれでもイケメンの留学生を中心に(笑)新しい人達とメッセージしたり、時には出会えるのはとても刺激的で楽しい!「これぞ女友達のためにあるアプリ!」ということで薦めてみた。晒せる写真がないのでまずはダイエットに励むとのこと。

高校時代のニックネームがボブサップだという女友達。気長に待つことにする。

 

終わりなき”東京カースト”

東京生まれ東京育ちの僕が”東京カースト”に気づくまで

東京生まれ東京育ちの僕は、生まれた病院は皇室御用達の愛育病院で出身校も都内の某私立高校。実家は都内のいわゆる”高級住宅地”(実際はそうでもないけどね...)にあり、海外生活も経験したことある。もちろん長者番付に載るような大富豪でもないし、田園調布に邸宅を構えたり六本木のタワーマンションに暮らせるような富豪ですらないけど、それでもそこそこ裕福な生活を送れてきたとおもう。

大学を卒業するまでは無邪気でいられた。大学までは実家の裕福さよりも容姿や性格がその人の魅力に直結する。実家が裕福なのはステータスであることに相違はないけれど、それよりも容姿端麗であることや社交的であることが重要になる。しかし、大学を卒業すれば経済力が魅力そのものになる。冴えない数学科の学生が外資金融に就職して初年度から4桁万円の年俸を稼ぐこともあれば、男らしい運動部の学生が聞いたこともない企業で昇給しないまま数年経過することもあるかもしれない。

東京でなければこんなことそこまで問題にはならないかもしれない。でも東京には経済力を基準にした”カースト”を感じる瞬間がたくさんある。映画を観にいけばプレミアムシートでくつろぐ30歳前後のカップルがいて、六本木で食事をすれば高価なワインを躊躇なく注文する初老の夫婦がいる。パークハイアットでは豪奢な毛皮できめている若者がいる。

「彼らはどんな仕事をしているんだろう?」

厳然たる階級差を目撃することで、自然と経済力がそのまま魅力になる都市で生活していることを実感してしまうのが東京である。

終わりなき”東京カースト

満員電車に揺られながら皺だらけのスーツの会社員に突撃されると、世間で言われるような一流企業勤務の称号なんて些細なもののように感じる。休暇を頂戴してすこしハイソなレストランで食事をしていればTシャツにジーパンのオヤジが高級車から降りてくるのを頻繁に目撃する。

「服装は人となり」と小学校のときに教えられたが、ヨレヨレの洋服で無精髭のオヤジのほうが裕福であるという事実をどのように理解すればいいのか?

確かに僕はいわゆる就職偏差値でも最上位にあるような企業に勤務しており、食事会やいわゆる”ホームパーティー”にも頻繁に誘われる。

「○○に勤務しています」

と言えばそれだけでアプローチしてくる女性もいるし、それなりの”階級”にいるのかもしれない。それでも僕はサラリーマンであることに変わりはなく、高級車に乗れるような身分ではない。節約するために飛行機はいつもエコノミークラスで、旅行の初日はいつも肌がカサカサになる。

「人間の欲望には下方硬直性がある」

というのは真実だとおもう。人間は自分よりも貧乏な人間をみても安心できず、自分より裕福な人間への羨望をやめることができない。

狭い土地にたくさんの人間が生活をしているのが東京で、そんななかこの羨望をやめることはなかなか難しい。

 ”東京カースト”は勝つものではない?

最近好きな人ができて、その人とセックスしたり食事したりしているととてつもない幸福感を覚える。そんなときに”東京カースト”なんてどうでもよくなる。ガッツがないと批判されるかもしれないけれど、生まれたからこれまで体験したことのない幸福が「”東京カースト”なんてどうでもいい!」という気にさせる。

最高級のレストランで食事、大富豪の自宅でシャンパンパーティー、軽井沢の豪邸でBBQ。どんなに豪奢な体験をしても獲得できなかった幸福感を、こんなにも素朴なことで獲得している自分に気づいた。

経済力はカーストを決定する重要な要素であることを否定しない。それでも経済力と同等に重要なものがあることは確実である。まだまだアラサーということもあり経済力の重要性を本気で理解しているかどうか自信がないけれど、そしてこんな平凡な思考だからいつまでも平凡なのかもしれないと自省することもあるけれど、幸福感に従いながら人生を進めていきたい。

シンプルでいいとおもった、そんな夜である。

【仁義なき戦い】 丸の内OL・大手町OL・八重洲OLの自意識戦闘録

現代の三国志!丸の内・大手町・八重洲

東京駅。赤色のレンガで装飾された駅舎は日本のみならず世界の観光客を魅了しており、毎日記念写真を撮影している高校生や家族連れを目撃する。なにより東京駅は日本のビジネスの震源地ともいえるエリアにある駅なので、周辺では多種多様なビジネスパーソンが闊歩している。

「あのスーツさぞかし高いんだろうな~。外資金融かな...?」

「体育会系で無邪気な雰囲気なイケメンだな~。あ!三菱商事の社員証だ!」

「黒塗りのハイカーから降りてきたオジサン、結構いけるわ~(笑)」

というように人間観察に飽きることないのが、ここ東京駅周辺である。そんな東京駅にも隠れたヒエラルキーがあり、そこには熾烈なマウンティングが存在する。まずは東京駅と皇居の中間地である丸の内。Wikipediaによると

皇 居外苑と東京駅に挟まれた地区で、東京駅を中心に、北に隣接する大手町と共にオフィス街として発展している。丸の内ビルディング新丸の内ビルディング三菱東京UFJ銀行本店ビル、郵船ビルディングなどの大手銀行や大企業のビルが建ち並び、日本の金融・経済の中心地の一つとなっている。歴史的な経緯から 三菱グループの本社が集中し、「三菱村」とも呼ばれる。

丸の内 - Wikipedia

なんという重厚感!!!「歴史的な経緯」という言葉から感じられる重厚さ、そして同時に先進的な雰囲気も持ちあわせる絶対的存在。

「どちらにお勤めなんですか?...丸の内なんですね!(ハアハア濡れてきた)」

と いう女性も少なくないはず。「勤務地は清澄白河です!」とか「平日は亀有にいます!」とか言われるよりも100倍説得力がある。「大企業勤務なんて今時な んの価値もない」という意見もあるかもしれないが、なんだかんだ大企業勤務の彼氏がいたら自慢になるよね?JPモルガンやシティのような外資金融のオフィ スもたくさんあるし、TOKIAのMUCHO MODERN MEXICANOあたりで恋を芽生えさせたいよね?

そんな丸の内に隣接するのが大手町。

中 央区(日本橋本石町八重洲)との区境にあたる。町名としての大手町は、地下鉄各線の大手町駅を中心とする地域である。日本経済の中心地として、南に隣接 する丸の内と共に政府系金融機関・大手銀行・商社・マスコミの本社などが集積する。最近は建物の老朽化などが見られ、再開発が盛んである。以前、この地域 は皇居前(こうきょまえ)ということもあり、建築基準によって建造物の階数に厳しい制限があった。しかし、現在は緩和され、東京サンケイビルを始めとした 超高層ビルが建つようになり、丸の内と共に日本屈指のオフィス街を形成している。

大手町 (千代田区) - Wikipedia

金融機関のメッカともいえるのがここ大手町。日本政策投資銀行メガバンクモルガンスタンレー野村證券のオフィスがあるのが大手町。Wikipediaの記述にもあるように再開発が進んでおり、星のや東京なんかができるのもここ大手町。

「大手町勤務です!(銀縁眼鏡キラッ!!!!)」

「(ヒャア!!!高学歴ねん!!!濡れてきたわ...)」

なんていう知性すら感じさせる。丸の内と比較してやや娯楽施設が少ないような印象があるが、そんなところが”真面目な俺達大手町”を演出してくれる。そしてもはや東京駅と皇居の中間地に位置することなく、果てしない太平洋と東京駅の中間にあるのが八重洲

東 京駅の東側に位置し、東京駅では西側の出口(皇居方面)を「丸の内口」、東側の出口(日本橋方面)を「八重洲口」と称することから、駅西側一帯を「丸の 内」、東側一帯を「八重洲」と通称している。ただし、東京駅の駅舎、プラットフォーム等の施設はすべて千代田区丸の内一丁目に位置し、千代田区丸の内と中 央区八重洲の境界は、東京駅八重洲口駅前よりもやや東にある。

八重洲 - Wikipedia

うん?企業の名前がありませんね。金融機関とか商社とかキラーワードが見当たらない。そういえば東京駅のデザインも八重洲側になるとレンガを感じさせない無機質な雰囲気だし、そういえば怪しい勧誘が行われている珈琲屋は八重洲にある気がする...

八重洲勤務です... (ごめんなさい...)」

「そうなんですね... (大丸で海鮮丼くらい買うてこいやボケナス!!!)」

という残念感もここ八重洲の特徴。ただし地下街はかなり充実しており、いわゆる東京駅の地下街グルメは八重洲方面に集まっている印象。ノースタワーやサウスタワーにはBNPパリバリクルートのような大企業のオフィスがあるはずだが...

そ んな東京駅三国志こと丸の内・大手町・八重洲。もちろん日本橋とか日比谷あたりもこの群雄割拠に含められないこともないが、魏蜀呉の傍目で独特なポジショ ンを築いていく小国感は否定できない。なにはともあれこの三国志、それぞれ強烈な自意識を持ちつつ仁義なき戦いへと突入している。

①丸の内OL「はぁ???あたしたちが女王よ???笑わせないでっっ!!!」

イルミネーションで輝やいている並木を横目に石畳を歩いていく。エルメスのショーウィンドウで最先端の流行を察知しつつ、高層階で最高峰のグルメを堪能する。

「たまに道路にハイヒールが食いこむけど、あたしはやめないの。ルブタンの赤で後方攻撃も忘れないわ。ちなみに仕事は金融機関のVPで年収は○○○○万円よ。通勤は神田方面から毎朝毎夜タクシーよ。喋る運転手は嫌いよ。」

OLと呼んでいいのだろうか... 髪にゆるふわなパーマをかけて、ワンピースにカーディガンを羽織るようなファッション。

「総合職の皆さんに頼られるようになたいです!(あたし出身は聖心よ?パパは開業医でママは専業主婦だけどNPOの理事してるのよ?サラリーマンとの結婚は金銭面で不安だけど、パパにお願いすればいいのよ?ガタイのいいイケメンと結婚するのよ?)」

大手町OLや八重洲OLをライバルとして認識することもなく、絶対王者としての威厳と余裕を振りまいている。ランチは1,000円がミニマムで、牛丼でやりくりする哀愁リーマンたちに生きるとはなにかという問題提起をしている。

②大手町OL「あたしたちはねえ、本気なのよ。羨ましくないわクソ石畳なんて!!」

レストランも少なければファッションショップも少ない。どことなく照明も少なければ、ふとビルのガラスに映りこむ自分自身を見かけては心で3回唱える。

「あたしは素敵、あたしは素敵、すてーーーきういーーー!!!!!!!」

本 気なのが大手町OL。仕事に全力、恋は無視。なんで周囲の金融機関の男前は丸の内でばかり御飯をするの?麻布十番や六本木方面まで遠出する時間あるなら ば、大手町で3倍の出会いがあるぞ?周囲にナイススポットもないから徒歩がやや速めだけど、仕事の処理能力も凄まじいものがあるのよ?

「丸の内さん、御愁傷さま。いつまで女子でいるつもりなの?」

「石畳?機能的でないわね。景観?窓に映りこむアタシが美観の象徴よ?」

「(く、くやしいわ... なんなの?イルミネーションやれよ!!!!!)」

嫉妬とプライドの狭間で揺れる大手町OLは、アマン東京のプールで泳ぎまくることで精神を安定へと導いていく。オアゾ丸善で自己研鑽に励んでいく。

八重洲OL「...ごめんちゃい♪アタシは雑居ビルで生きていくわ♪」

レンガのデザインなんてどこにもない八重洲。駅前のバスターミナルでウダウダしている田舎娘たちを傍目に「わたしは東京にいるのよね?」と不安になる。それでも大丸の総菜屋はなかなか食えるラインナップだし、東京駅周辺勤務という称号は嘘ではない。

「東京駅周辺で働いています!」

「へー、丸の内?」

「い え、八重洲です(せめて大手町で勤務をしたかった。それか日本橋あたりで三国志とは別世界で平和に生活したかった。日本で最高層のオフィスビルが建つらし いけど、それがなんなの?地下街を歩かせたら一番。迷路のような地下街をスイスイと歩いていくアタシたちは忍者、忍者なのよ?気をつけなさい?)」

自意識の戦闘に巻きこまれる僕

平和な日本。その政治経済の震源地である東京駅周辺では今日も自意識の戦闘が止まらない。全然関係ないけど東京駅周辺の地下街って完全に迷路だよね... 雨に濡れないのはいいけれども、少しでも「あれ?どの道行けばいいのかな?」という状態になると周囲からの

「あーら、おのぼりさん?ぶっつぶすわよ?」

「修学旅行いつまで続けてるの?人返りの令よ!!」

「あらあら、錦糸町あたりで勤務する底辺?おほほほ!!」

みたいな視線を浴びているような気持ちになる。いや、本当はそんなこと全然ないんだけど、自意識戦闘の嵐であるここ東京。油断大敵なのである。